転移巣の画像所見が多様であった悪性パラガングリオーマに対するCVD療法を含めた集学的治療効果
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- タイトル別名
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- Effects of the treatment with CVD chemotherapy for a patient of malignant paraganglioma presenting various image patterns in metastatic regions
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抄録
症例は35歳男性. 20歳ごろより高血圧を指摘され, 36歳時には頭痛を伴う230/120mmHg程度の高血圧を認めるようになった. 腹部CTで右後腹膜腫瘍を認め, 血中・尿中ノルアドレナリン高値, 尿中ノルメタネフリン高値, クロニジン試験陽性であり, MIBGシンチグラフィで腫瘤に一致する集積を認めたため, パラガングリオーマと診断した. 後腹膜腫瘍・右腎摘出術を施行し, 血圧, 血中・尿中カテコラミンともに正常化したが, 術後4カ月ごろより発作性の血圧上昇, カテコラミン上昇を認めるようになったため, パラガングリオーマ術後再発を疑い転移巣の検索を行った. MIBGシンチグラフィでは左肺尖部, 右肺外側部, 胸椎中位部, 腹部背側に淡い集積を認め, FDG-PETでは腹部大動脈周囲リンパ節, 左鎖骨下リンパ節, 第3頸椎, 第6, 11, 12胸椎, 第4腰椎, 第1仙椎, 右骨盤, 肝S5領域に集積を認めた. 椎体MRIでも同部位はパラガングリオーマに矛盾しない所見であった. 術後1年以内に非クロム親和性組織に転移を認めたことから, 悪性パラガングリオーマと診断した. 転移巣はMIBGシンチグラフィ陰性・陽性の部位が混在していたため化学療法 (CVD療法 : シクロフォスファミド, ビンクリスチン, ダカルバジン) を行った. CVD療法6クール終了時点で, α遮断薬の十分な投与によりクリーゼをきたすことなく経過し, 腫瘍反応性・内分泌学的反応性ともに治療効果を認めた.
収録刊行物
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- 心臓
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心臓 46 (5), 650-657, 2014
公益財団法人 日本心臓財団
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679027206144
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- NII論文ID
- 130005069346
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- ISSN
- 21863016
- 05864488
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可