活性汚泥中のバイオサーファクタントの特徴

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タイトル別名
  • <b>Characteristics of a Biosurfactant from Activated Sludge </b>
  • カッセイ オデイチュウ ノ バイオサーファクタント ノ トクチョウ

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抄録

活性汚泥をテトラクロロエチレン(PCE)にて馴養した後,氷上濾過することでバイオサーファクタント様物質(BS)を得た.このBS によってPCE の液中への溶解度は約2.5倍に向上した.この時,粒径分布のピークはPCE 添加前の64nm,248 nm から添加後では389 nm,4,053 nmに増大しPCE のミセル化が確認された.Tween 20やサーファクチンナトリウム(SF)と比較すると,BS における乳化力が最も高かった.また,原油の油膜排除効果はBS,Tween 20,SF の面積比で比較すると,各々0.22,0.21,0.15となり,BS の油膜排除効果が最も高い結果となった.TOC ではBS の油膜排除効果はTween 20やSF よりも低かった.さらにこのBS のメタノール抽出画分に油膜排除効果があり,薄層シリカゲルプレート上ではニンヒドリンで発色し,UV220 nm に極大吸収があったことからペプチド結合を有するBS であることが示唆された.以上より,活性汚泥において疎水性の高い物質に対し強い乳化作用を示すBS の存在と性質の一部が明らかとなった.

収録刊行物

  • 環境技術

    環境技術 44 (3), 161-169, 2015

    環境技術学会

参考文献 (18)*注記

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