総胆管十二指腸吻合術後の食物残渣による反復性胆管炎に対し,内視鏡下での食物残渣除去中に空気塞栓症を発症した1例

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タイトル別名
  • Acute Air Embolism during Retrograde Cholangiography for Postoperative Recurrent Cholangitis Due to Intraductal Residual Meals after Choledochoduodenostomy

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抄録

症例は82歳の女性で,78歳時に総胆管結石症に対し総胆管十二指腸端側吻合術を施行されたが,その後も食物残渣による胆管炎を繰り返していた.今回,食物残渣の胆管十二指腸吻合部への嵌頓による閉塞性胆管炎に対し,内視鏡下で食物残渣を摘出したのち入院となった.繰り返す胆管炎に対し,胆管内に遺残する複数の食物残渣除去後に消化管経路変更術を行う方針とした.Endoscopic retrograde cholangiography(ERC)下での胆管内の食物残渣除去中にショック状態となり,帰室後心肺停止となった.心肺蘇生後のCTで血管内に大量のガス像,ultrasonic echocardiography(UCG)で右心室の拡張と壁運動低下を認め,空気による肺塞栓症と診断した.肺塞栓に対する治療を行い全身状態改善後,幽門側胃切除,Roux-en-Y再建による消化管経路変更術を施行し軽快退院となった.

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参考文献 (34)*注記

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