造血器腫瘍の罹患率と罹患傾向に関する日米での比較検討

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タイトル別名
  • Comparison of the incidence and trends of hematologic malignancies between Japan and the United States
  • ゾウケツキ シュヨウ ノ リカンリツ ト リカンケイコウ ニ カンスル ニチベイ デ ノ ヒカク ケントウ

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抄録

今回我々は日本の地域がん登録データと米国のSEERデータを用いて造血器腫瘍の罹患率,罹患傾向を算出し,二国間での比較を行った。研究の対象になった集団は1993年から2008年までの期間にデータに登録された日本で12.5万人,米国で17.3万人の造血器腫瘍の患者で,日本のデータは人口の33%, 米国のデータは人口の9%をカバーするデータである。2008年時における造血器腫瘍全体の年齢調整罹患率(10万人年当たり)は日本で男性18.0, 女性で12.2, 米国で男性34.9, 女性で23.6であった。日本と米国の造血器腫瘍罹患率比は約2倍であったが,その程度は疾患によって大きく異なっていた。日本では造血器腫瘍全体の年齢調整罹患率は年率2.4%で増加傾向にある一方,米国では横ばいであり,日本人における罹患率上昇の背景を探る疫学研究の必要性が示唆された。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (4), 366-374, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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