白血病幹細胞および造血幹細胞はEVI1が制御するGPR56により骨髄ニッチに維持される

  • 齋藤 祐介
    宮崎大学医学部機能制御学講座腫瘍生化学分野
  • 森下 和広
    宮崎大学医学部機能制御学講座腫瘍生化学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Maintenance of leukemic and normal hematopoietic stem cells in bone marrow niches by EVI1-regulated GPR56
  • ハッケツビョウ カンサイボウ オヨビ ゾウケツ カンサイボウ ワ EVI1 ガ セイギョ スル GPR56 ニ ヨリ コツズイ ニッチ ニ イジ サレル

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抄録

EVI1高発現急性骨髄性白血病(AML)は治療抵抗性でありその予後は極めて不良である。我々はEVI1高発現AMLに特異的に高発現している接着性G蛋白質共役受容体GPR56を同定しその機能解析を行った。GPR56はEVI1により遺伝子発現が上昇し,下流にあるRhoAを活性化させることでAMLの骨髄ニッチへの細胞接着を制御していた。正常造血幹細胞(HSC)においてもGPR56は高発現しており,GPR56の欠損により骨髄内のHSC数や静止期のHSCは減少し,末梢血および脾臓へのHSCの遊走を認めた。さらに,GPR56欠損HSCは長期再構築能が消失していた。これらの結果は,GPR56欠損により骨芽細胞への細胞接着能が低下していることに依存した。GPR56はEVI1高発現AML及びHSCの骨髄ニッチへの接着・維持に必要であり,さらに白血病幹細胞で最も発現が高いことから白血病ニッチに対する新規白血病治療標的となりうる。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (4), 375-383, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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