超臨界二酸化炭素を利用してナノ粒子を綿繊維内部に注入する技術の開発

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タイトル別名
  • Development of a Method for Injection of Nanoparticles into Cotton Fibers by Use of Supercritical Carbon Dioxide
  • チョウリンカイ ニサンカ タンソ オ リヨウ シテ ナノ リュウシ オ ワタ センイ ナイブ ニ チュウニュウ スル ギジュツ ノ カイハツ

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抄録

綿繊維内部にナノ粒子を注入するには,綿繊維内部の空隙を拡張して,ナノ粒子が綿繊維内部を通過しやすくする必要がある.空隙を拡張する処理として,綿繊維を24 wt%NaOH水溶液に1 h浸漬し,100˚Cで4 h乾燥した後,水洗により綿繊維内部に侵入させたNaOHを除去した.処理した綿繊維の断面をSEMで観察した結果,綿繊維断面に500 nm程度の多数の空隙があることが確認できた.また,内部の空隙を拡張した綿繊維を,30 ppmのナノ銀液に浸漬し,80˚C, 20 MPaの超臨界二酸化炭素雰囲気で1 h保持した後に乾燥し,断面をTEMで観察した結果,10–30 nmの多数のナノ銀粒子が注入されているのが確認できた.ナノ銀を注入した綿繊維をマグネチックスターラーで3 h水洗し,水洗前後の断面をTEMで観察した結果,水洗前後でナノ銀量に大きな差はなく,綿繊維内部に注入されたナノ銀は水洗でも除去されないことがわかった.また,マグネチックスターラーで6 h水洗したナノ銀注入綿繊維の抗菌試験で,静菌活性値は5.7あり,抗菌性能はほとんど低下しなかった.

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