比較的高い細胞接着性をもつ diffuse large B-cell lymphoma の 1 例

  • 鈴木 郁美
    社会福祉法人恩賜財団済生会山形済生病院臨床検査部
  • 國井 徹
    社会福祉法人恩賜財団済生会山形済生病院臨床検査部
  • 狩野 正昭
    社会福祉法人恩賜財団済生会山形済生病院臨床検査部
  • 刑部 光正
    山形県立中央病院中央検査部病理
  • 前田 邦彦
    山形県立保健医療大学保健医療学部

書誌事項

タイトル別名
  • Cytological diagnosis of a diffuse large B-cell lymphoma with cohesive growth pattern—A case report—
  • Cytological diagnosis of a diffuse large B-cell lymphoma with cohesive growth pattern—A case report—

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抄録

背景 : 悪性リンパ腫の細胞像は, 細胞接着性に乏しく均一な細胞が出現するとされているが, まれに, 細胞接着性を示すことがあり, 癌腫との鑑別が問題となることがある. 今回われわれは, 免疫化学的検討を用いて診断しえた細胞接着性を示す diffuse large B-cell lymphoma (DLBCL) を経験した. <br>症例 : 89 歳, 女性. 右腋窩部腫瘤を自覚し, 乳癌のリンパ節転移が疑われたが, 乳房内には病変を認めなかった. 腫瘤の穿刺吸引細胞診が行われ, 大型の異型細胞が多数みられた. これらは比較的高い細胞接着性を示したが, 組織型の断定にはいたらず, 切除生検が行われた. 組織診では大型の異型細胞がびまん性増殖を示した. 免疫細胞・組織化学的検討にて, 異型細胞には AE1/AE3, HMB45 の発現は認めず, 一方, CD5, CD20, CD79a の発現を認めたことから CD5-postive, DLBCL と診断された. <br>結論 : 細胞接着性を示すことは, 悪性リンパ腫を完全に否定する根拠とはならず, 異型細胞が比較的高い細胞接着性を示した場合でも, 悪性リンパ腫も鑑別の一つとしてあげ, 必要に応じて免疫化学的検討を行うべきと思われた.

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