チューブ発声法による声帯振動への影響

  • 南 和彦
    埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科・耳鼻咽喉科
  • 丸山 萩乃
    倉敷中央病院
  • 土師 知行
    県立広島大学保健福祉学部コミュニケーション障害学科

書誌事項

タイトル別名
  • Vocal Fold Vibration Changes with Resonance Tube Method

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抄録

チューブ発声法はさまざまな音声障害に有効な音声治療として使用されており,コンピュータによるシミュレーションによると,声道の入力インピーダンスと声門のインピーダンスとを容易に適合させて効率の良い発声を導きやすくさせるとされている.しかし,実際にチューブ発声を行っている状態の声帯振動を観察した報告はわれわれが確認した範囲では,ない.<br>当院では声帯結節に対してチューブ発声法を積極的に指導しているが,同訓練法の声帯振動への影響は不明であった.本検討ではチューブ発声時の声帯振動を電子スコープで観察したところ,通常発声時と比較して声帯振幅が増大する傾向にあることがわかった.これはコンピュータでのシミュレーションのように,チューブ発声が効率の良い発声を導くことを示す一つの証拠となると考えられた.<br>チューブ発声法は自宅で簡便に訓練でき,継続的な訓練が可能である.今後,さらなる症例を重ねて治療効果についても検討したい.

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