頭部MRIおよび磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)にて病変を観察した糖尿病性片側舞踏病の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Diabetic Hemichorea with Pathological Changes on Cranial MRI and MR Spectroscopy (MRS)
  • 症例報告 頭部MRIおよび磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)にて病変を観察した糖尿病性片側舞踏病の1例
  • ショウレイ ホウコク トウブ MRI オヨビ ジキ キョウメイ スペクトロスコピー(MRS)ニテ ビョウヘン オ カンサツ シタ トウニョウビョウセイ カタガワ ブトウビョウ ノ 1レイ

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抄録

症例は81歳女性.65歳時に2型糖尿病と診断された.当院受診半年前より治療を自己中断し,その後出現した右上肢不随意運動は1週間前より顕著になった.近医を受診し随時血糖498 mg/dl,HbA1c 14.1 %の高血糖を指摘され当院に紹介入院した.入院時右上肢に舞踏運動を認め,非ケトン性高血糖で浸透圧は軽度高値を呈した.頭部MRI T1強調画像で左被殻に高信号を示し,T2,T2*および拡散強調画像で異常信号はなかった.脳出血や急性期梗塞を否定し糖尿病性片側舞踏病と診断した.MRSで左被殻にN-アセチルアスパラギン酸/クレアチン比の低下を認め,神経細胞障害が示唆された.入院後インスリン療法で血糖コントロールは改善し舞踏運動は消失した.111日後頭部MRI T1強調画像で左被殻の高信号は減弱した.本例は高血糖高浸透圧血症により最終的に左被殻の神経細胞障害が惹起され舞踏病を発症したと推察される.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 58 (4), 293-299, 2015

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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