側彎症手術における筋誘発電位消失例の検討

DOI

この論文をさがす

抄録

側彎症に対する変形矯正手術中に経頭蓋電気刺激筋誘発電位(BrE-MSEP)が消失した4例について検討したので報告する.症例1は21歳女性で,特発性側彎症放置例である.矯正中に電位消失したが,矯正を減ずることで回復した.術後麻痺は認めなかった.症例2は8歳男児で,頚胸移行部多椎間の先天性側彎症である.脊髄への牽引力により電位消失を認め,術中電位の回復は認めなかった.術後,一過性両下肢麻痺が出現した.症例3は12歳男児で,神経原性側彎症である.Rod連結時に電位消失しrod抜去した.最終的に電位は回復し,術後麻痺は認めなかった.症例4は15歳男児で,神経原性側彎症である.Rod連結時に電位消失した.術後,一過性下肢麻痺が出現した.2例はBrE-MSEPにより麻痺を回避し得たと考えられ本法は有用であった.高度かつ硬いカーブや術前に麻痺を有する側彎症では脊髄易損性の可能性が考えられた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ