蓋膜の骨化を伴った頸椎後縦靭帯骨化症の1例

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抄録

【目的】今回我々は,比較的稀な蓋膜まで骨化した頸椎後縦靭帯骨化症の1例を経験したので報告する.【症例】52歳男性で,10年来の四肢のしびれと半年前からの手指巧緻運動障害を主訴に来院した.初診時の理学所見では,上肢の腱反射が亢進,病的反射陽性で,右手優位の握力低下を認めた.頸椎Xp上C2-4に後縦靭帯骨化を,CTにて蓋膜の骨化とC1からC5にかけての後縦靭帯骨化を,MRIではC1-5/6にかけて硬膜管の高度な圧迫を認めた.手術適応と判断し,C1椎弓切除+C2-6片開き式椎弓形成術を施行した.術後,症状は改善され経過は良好である.【考察】後縦靭帯は,環椎十字靭帯を後方から幅広く覆い,頭側は斜台で硬膜に,尾側は後縦靭帯に連続している.文献的には我々が渉猟しえた限り,蓋膜の骨化の報告は極めて少ない.今回はC1の椎弓切除で対応可能であったが,今後も定期的な注意深い経過観察が必要と考える.

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