腹膜透析患者に生じた腰椎黄色靭帯血腫の一例

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抄録

今回我々は腹膜透析患者に生じた腰椎黄色靭帯内血腫の一例を経験したので報告する.症例:61歳 男性.2ヶ月前より右臀部痛出現,徐々に痛みが強くなり,近医整形外科受診.MRIにてL4/5の硬膜外腫瘍を指摘され,当科紹介受診となった.既往歴として慢性腎不全があり腹膜透析中である.現症:下肢知覚障害はなく,右前脛骨筋,長母趾伸筋の脱力をみとめた.MRIにてL4/5レベルの脊柱管内に径約2cm大のT1 low,T2 highで不均一,多彩な形態の境界明瞭なmassを認めた.この症例に対し手術(L4広範椎弓切除術+硬膜外腫瘍摘出術)を行った.術中,黄色靱帯は椎弓及び硬膜との癒着が著明で部分切除となった.病理結果は血腫であった.手術翌日から,術前の右臀部痛,右下肢痛は軽減し,筋力も改善傾向にあり,経過良好である.この症例のように,血液透析,腹膜透析の患者に生じた黄色靱帯血腫の報告は極めて稀である.

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