成長期野球競技者における上腕骨内側上顆下端裂離の病態

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抄録

上腕骨内側上顆下端の分離・分節については,骨折なのか骨化障害なのか未だ不明な点も多く,治療方針も施設により異なる.これは病態の認識の差異が原因と考え,我々は高分解能MRI画像を用いて上腕骨内側上顆下端裂離の評価を行い,病態について検討した.対象は肘内側部痛を主訴に受診し,単純X線上,上腕骨内側上顆下端に分離・分節を認めた成長期野球競技者で,マイクロスコピーコイルを用いた高分解能MRI撮影を行った18例(全例男性,平均年齢11.1歳,疼痛発生から初診まで平均23.1日)である.MRIは患側と健側の冠状断および軸位断を用いて軟骨膜の破断の有無,軟骨膜の偏位の有無,前斜走靱帯(AOL)の輝度変化の有無を評価した.その結果,MRIにおいて全例に軟骨膜の損傷とAOLの輝度変化が認められた.以上の結果より,内側上顆下端の分離・分節は骨化障害ではなく,AOLを介した牽引性の骨折であると考えられた.

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