足部に発生した神経周膜腫の1例

  • 杉本 一樹
    熊本大学大学院生命科学研究部整形外科学分野
  • 佐藤 広生
    熊本大学大学院生命科学研究部整形外科学分野
  • 末吉 貴直
    熊本大学大学院生命科学研究部整形外科学分野
  • 岡 潔
    熊本大学大学院生命科学研究部整形外科学分野
  • 水田 博志
    熊本大学大学院生命科学研究部整形外科学分野

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抄録

稀な神経周膜腫の1例を報告する.症例は51歳,男性であった.平成25年5月に右足部の腫瘤を自覚し近医を受診し,MRIにて腫瘍性病変を指摘され,同年7月に当科紹介受診となった.右足部内側に径3cm×2.5cmの弾性硬,可動性不良な腫瘤を触知し圧痛を認めた.MRIでは母趾外転筋内に辺縁平滑な円形の腫瘤性病変を認め,T1WIで低信号,T2WIで均一な高信号,Gdにて均一な造影効果を示し,拡散強調画像ではADC値は0.58と低く拡散制限を認めた.診断確定のために切開生検を行い,病理所見では卵円形から紡錘形の多角状細胞が錯綜配列やシート状配列をとり増殖し,免疫染色ではEMA,Claudin-1,GLUT-1が陽性,S-100が陰性であったことから神経周膜腫の診断であった.良性腫瘍として腫瘍辺縁切除術を行った.神経周膜腫は神経周膜細胞で構成される良性の末梢神経鞘性腫瘍であり中高年の下肢に好発し,その頻度は非常に稀である.診断確定には免疫染色が有用で,腫瘍辺縁切除術により再発は稀である.

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