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抄録
(はじめに)外傷性に発生した巨大後咽頭血腫の1例を経験したので報告する.(症例)72歳男性.農作業中に約2 mの高さから転落し受傷.前額部の擦過傷と後頚部痛,両手背部の痺れを自覚し当院救急外来受診.単純X線,CTではC4椎体前下縁骨棘の骨折と後咽頭腔の拡大を認めた.MRIでは椎体前面に大量の出血および血腫を認めた.頚椎過伸展損傷による後咽頭血腫と診断した.来院時は頚部の圧迫感と軽度の呼吸困難感が見られていたが,CT撮影後より呼吸不全状態となったため救急外来で人工呼吸器管理開始し,ICU入室した.保存的に経過観察したが,後咽頭血腫は徐々に縮小傾向を認め受傷14日目で抜管し,受傷後47日目に独歩退院となった.(考察)頚椎過伸展損傷例では,後咽頭血腫を常に疑い軟部組織陰影と呼吸状態に十分注意し治療する必要があると考えられた.
収録刊行物
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- 整形外科と災害外科
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整形外科と災害外科 64 (2), 284-286, 2015
西日本整形・災害外科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679919089664
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- NII論文ID
- 130005071275
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- ISSN
- 13494333
- 00371033
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可