外傷性環椎後頭骨脱臼の1症例

• 石原 俊信

  大分大学整形外科

• 吉岩 豊三

  大分大学整形外科

• 金﨑 彰三

  大分大学整形外科

• 宮崎 正志

  大分大学整形外科

• 津村 弘

  大分大学整形外科

抄録

外傷性環椎後頭骨脱臼は致死的外傷に伴うことが多く，生存例であっても重傷頭部外傷の合併により看過されることがある．今回救命し得た1症例を経験したので報告する．症例は75歳，男性．軽自動車を運転中に大型トレーラーとオフセット衝突して受傷した．自発呼吸はあるが，意識昏睡状態であり，四肢完全麻痺，外転神経麻痺を認めた．急性硬膜下血腫，頭蓋頚椎移行部レベルのくも膜下出血，両側動揺性胸郭，血気胸，骨盤骨折を合併していた．basion-dens intervalは15.8mmと拡大し，condyle-C1 intervalはいずれも正常2.0mmを超える値であり，外傷性環椎後頭骨脱臼と診断した．全身状態が落ち着いた受傷後5週に後頭頚椎固定術を施行した．術後，ベッドアップの制限なく，瞬目で，はい，いいえの意思疎通を行い，離握手も可能となった．

収録刊行物

• 整形外科と災害外科

  整形外科と災害外科 64 (2), 287-290, 2015

  西日本整形・災害外科学会

キーワード

• 環椎後頭骨脱臼
• 頭蓋頚椎移行部
• 脊髄損傷

詳細情報

• CRID: 1390001204942389120
• NII論文ID: 130005071276
• DOI: 10.5035/nishiseisai.64.287
• ISSN: 13494333
• ISSN: 00371033
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2015236854
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可