胆道感染症の超音波診断をきわめる

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  • Ultrasonic findings in acute cholecystitis and cholangitis

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抄録

胆道感染症は腹痛,黄疸,発熱といったCharcotの3徴を特徴とする比較的頻度の高い腹部感染症であり,早期に適切な対処を行わないと敗血症のような重症感染症を併発し死に至ることもある.一方,超音波検査は簡易で低侵襲な検査であるため救急患者の診断にも広く用いられており,急性胆管炎・胆嚢炎ガイドライン2013でも胆道感染症が疑われる全ての症例に対して初診時にまず超音波検査を行うべきとしている.急性胆嚢炎の診断には,胆嚢腫大,胆嚢壁肥厚,結石,デブリエコー,sonographic Murphy’s signが有用である.一方,急性胆管炎には特異的な画像所見はないが,Charcotの3徴と胆道系酵素や炎症反応の上昇に加え,超音波検査にて胆管拡張あるいは結石や腫瘍といった閉塞機転が指摘されれば急性胆管炎の診断が可能である.今回は,急性胆嚢炎と胆管炎の超音波所見と胆嚢炎の重症度判定に加え,急性胆嚢炎の患者が短時間に増悪する病態である胆嚢捻転,気腫性胆嚢炎,壊疽性胆嚢炎,胆嚢穿孔について解説する.

収録刊行物

  • 超音波医学

    超音波医学 42 (3), 329-336, 2015

    公益社団法人 日本超音波医学会

参考文献 (11)*注記

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