抗血小板薬の非休薬例における,膵疾患に対する超音波内視鏡下穿刺吸引術の安全性に関する検討

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  • DO ANTIPLATELET AGENTS INCREASE HEMORRHAGIC RISK FROM ENDOSCOPIC ULTRASOUND-GUIDED FINE NEEDLE ASPIRATION OF PANCREATIC LESIONS?

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抄録

【背景と目的】超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)において,2012年改定のガイドラインで推奨している抗血小板薬非休薬下での処置の安全性については本邦からの報告は認めない.そこで,抗血小板薬の非休薬例における,膵疾患に対するEUS-FNAの出血性偶発症について検討する.【方法】対象は2010年10月から2014年2月に当院で膵疾患に対して診断的EUS-FNAを施行した154例で,血栓塞栓症高リスク例ではアスピリン(ASA)およびシロスタゾール(CLZ)は継続としたところ,抗血栓薬の非服用群は118例(76.6%),休薬群16例(10.4%),非休薬群20例(13.0%)であった.これらの3群間での出血性偶発症について検討した.【結果】術中出血については,管腔内や膵周囲への軽微な出血を,非服用群3例(2.5%),休薬群0例(0%),非休薬群1例(5.0%)に認めたが有意差なく,術後出血は各群に1例も認めなかった.【結論】ASAやCLZ単剤であれば非休薬のままでも,膵疾患に対するEUS-FNAは出血性偶発症の増加を認めず安全に施行可能と考えられた.

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