妊娠中の緊張性血胸で発症した破裂肺動静脈瘻に対し外科切除を施行した1例

  • 神津 吉基
    順天堂大学医学部附属浦安病院呼吸器外科
  • 舘 良輔
    順天堂大学医学部附属浦安病院呼吸器外科
  • 二川 俊郎
    順天堂大学医学部附属浦安病院呼吸器外科
  • 泉 浩
    順天堂大学医学部附属浦安病院病理診断科
  • 鈴木 健司
    順天堂大学医学部附属順天堂医院呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of surgical resection for ruptured pulmonary arteriovenous fistula which caused tension hemothorax during pregnancy

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抄録

症例は28歳女性,妊娠24週.呼吸困難と背部痛を主訴に当院へ救急搬送された.来院時ショックバイタルを呈しており,貧血を認めた.胸部CTで右緊張性血胸と圧排性無気肺を認め,同側肺野に流入流出血管を伴った造影効果を有する結節が2個指摘された.両側頬部と手指に血管腫を認め,頻回の鼻出血の既往を有していた.以上から,遺伝性出血性毛細血管拡張症に伴う肺動静脈瘻が妊娠を契機に破裂し,緊張性血胸をきたしたと診断し緊急手術に移行した.胸腔内血腫を除去後に拍動性出血を伴う結節を右S10臓側胸膜表面上に認め,これを部分切除した.他に2病変を認め,計3病変を部分切除した.術後経過は良好で,妊娠37週に帝王切開により分娩,現在母子ともに健康である.妊娠中に緊張性血胸をきたした破裂肺動静脈瘻の治療に関しては,外科切除が安全,確実な治療であると考えられた.妊婦の肺動静脈瘻の治療方針に関する考察を含め報告する.

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参考文献 (7)*注記

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