間質性肺炎合併肺癌術後にCritical Illness Polyneuropathyを発症した1例

• 杉浦 八十生

  独立行政法人国立病院機構神奈川病院呼吸器外科

• 児玉 三彦

  東海大学医学部専門診療学系リハビリテーション科学

• 橋詰 寿律

  独立行政法人国立病院機構神奈川病院呼吸器外科

• 加勢田 靜

  独立行政法人国立病院機構神奈川病院呼吸器外科

• 根本 悦夫

  独立行政法人国立病院機構神奈川病院呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名

• Critical illness polyneuropathy caused after lung lobectomy for a patient with interstitial pneumonia: A case report

抄録

背景：集中治療の際に，廃用症候群とは異なり軸索障害による弛緩性麻痺を生じる病態をcritical illness polyneuropathy（CIP）という．今回，間質性肺炎合併肺癌術後，集中治療を要しCIPを発症した症例を経験した．症例：症例は70歳，男性．既往歴は間質性肺炎，肺気腫，関節リウマチ，糖尿病，高血圧があった．腫瘍径7 cm，扁平上皮癌，cT2bN0M0, cStage II Aに対して右肺下葉切除術を施行した．術後，間質性肺炎急性増悪，MRSA肺炎・CMV肺炎を発症し2度の人工呼吸器管理を要した．術後48日目に人工呼吸器離脱も，筋力低下が遷延し電気生理学的検査で運動・感覚神経伝導速度の低下を認めCIPと診断した．結語：間質性肺炎合併肺癌に対する周術期死亡率は未だに高く，急性増悪後の集中治療の際にはCIPという疾患が救命後のADLを低下させうることを念頭に入れるべきである．

収録刊行物

• 日本呼吸器外科学会雑誌

  日本呼吸器外科学会雑誌 29 (4), 495-500, 2015

  特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会

キーワード

• 肺癌
• 間質性肺炎
• critical illness polyneuropathy
• 術後急性増悪

詳細情報

• CRID: 1390282679335939456
• NII論文ID: 130005072332
• DOI: 10.2995/jacsurg.29.495
• ISSN: 18814158
• ISSN: 09190945
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2015257826
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可