透析患者におけるACE阻害薬治療と生命予後 : 傾向スコアマッチング法を用いた検討

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  • Use of angiotensin-converting-enzyme inhibitor is related to improvement of all-cause mortality in patients with maintenance hemodialysis
  • トウセキ カンジャ ニ オケル ACE ソガイヤク チリョウ ト セイメイ ヨゴ : ケイコウ スコアマッチングホウ オ モチイタ ケントウ

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抄録

透析患者に広く使用されるRenin-Angiotensin系抑制薬 (RASI) のうちAngiotensin変換酵素阻害薬 (ACEI), AT1受容体拮抗薬 (ARB) と生命予後との関連を当院databaseにより検討した. 2006年4月以降databaseに登録された透析患者を対象とした. 対象の傾向スコア (PS) を算出し3群 (ACEI, ARB, 非RASI群) からPS近似例を抽出した. 疾患死をエンドポイントとした3群の生存曲線を作成し比較した. 対象の347例から31組93例が抽出, 3群間に有意差なく4.2年で全死亡30例, 心血管死19例であった. 全死亡はACEI群7例, ARB群14例, 非RASI群9例でACEI群が予後良好であったが心血管死は有意差を認めなかった. 透析患者においてACEIによる全死亡抑制を認めたがARBは予後に影響しなかった. 今後多施設での前向き研究が必要と考えられた.

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