従来の結石治療の評価基準の問題点および改善点の指摘(主に結石の大きさの術前評価と残石の評価法について)

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  • ジュウライ ノ ケッセキ チリョウ ノ ヒョウカ キジュン ノ モンダイテン オヨビ カイゼンテン ノ シテキ(オモニ ケッセキ ノ オオキサ ノ ジュツゼン ヒョウカ ト ザンセキ ノ ヒョウカホウ ニ ツイテ)

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抄録

腎・尿管結石の手術的治療の主流である内視鏡的砕石術(PNL,TUL),体外衝撃波結石破砕術(ESWL)では,結石の体積がその治療時間や成績に大きく関与すると思われる.従来の結石治療の評価基準1)では,「腎・尿管結石のサイズは最大結石の長径をもとに6段階に区分けする」としているが,長径の大小と体積の大小は必ずしも相関しない.また,「サンゴ状結石,部分サンゴ状結石という表現を用いても良い」とされているが,形態は似ていても結石の大きさ(体積)はまちまちである.そこでこのたび,結石のサイズを体積表記に変更することを提案する. <br> 結石の体積測定にはマルチスライスヘリカルCT3次元処理法が容易である.他にCTにて計測した結石の水平面での長径,短径,および高さから(長径×短径×高さ/2)×1.5 の計算式で近似値を求めることが出来る.またCTを用いなくても,KUBにて計測した結石の長径と短径から 近似式(長径×短径×短径/2)×1.7(長径×短径×3/4)×1.3で結石の体積が近似できる.またエコーにおいても,直角2方向のサイズを計測できれば,(長径×短径×短径/2)×1.6の近似式で結石体積を求めることができる.サンゴ状結石など大きな結石で,輪郭の鮮明な症例では,電子カルテ上で計測ソフトを用いて面積を求め,面積×1.6の近似式で結石体積を求めることも出来る. <br> 結石体積表記は手術方針の決定に有用であり,また術後の残石の体積を計測すると,術前比(残石率)も得られ,結石治療評価の一助となろう.なお,KUBの結石描出感度はエコーに比較して劣っており,残石評価にはKUBとエコーの併用を提案する.

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