CD34陽性細胞移植による血管・組織の再生治療

  • 藤田 靖之
    先端医療振興財団先端医療センター病院再生治療ユニット 先端医療振興財団先端医療センター研究所血管再生研究グループ
  • 木下 愼
    先端医療振興財団先端医療センター病院再生治療ユニット
  • 川本 篤彦
    先端医療振興財団先端医療センター病院再生治療ユニット 先端医療振興財団先端医療センター研究所血管再生研究グループ

書誌事項

タイトル別名
  • Vascular and Tissue Regeneration by CD34+ Cells

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抄録

CD34は様々な体性幹細胞の表面マーカであり,骨髄由来の造血幹細胞/血管内皮前駆細胞,骨格筋衛星細胞,毛包幹細胞,脂肪組織間葉系幹細胞などに発現している.骨髄または顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte colony stimulating factor: GCSF)動員CD34陽性細胞を用いた血管再生療法は,慢性重症下肢虚血,治療抵抗性狭心症,急性心筋梗塞,拡張型心筋症など様々な心血管疾患患者を対象に開始され,高い安全性と良好な初期成績が報告されている.当研究グループでは,慢性重症下肢虚血患者に対する第I/II相,第II相臨床試験を終え,現在第III相試験の準備中である.最近では,心血管疾患以外に,肝硬変や難治性骨折など,その病態に局所の血流障害が関与する疾病に対しても,GCSF動員CD34陽性細胞移植治療が行われ,良好な初期成績が示されている.<br>本総説では,骨髄由来CD34陽性細胞を用いた血管再生治療について,前臨床試験および初期臨床試験の成績を紹介し,将来の展望についても言及する.

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参考文献 (26)*注記

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