気仙沼市立本吉病院における後期研修医の被災地研修プログラム

  • 孫 大輔
    東京大学大学院医学系研究科医学教育国際研究センター
  • 角 泰人
    医療生協さいたま生活協同組合 所沢診療所
  • 林 健太郎
    PCAT (日本プライマリ・ケア連合学会東日本大震災支援プロジェクト)

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抄録

日本プライマリ・ケア連合学会東日本大震災支援プロジェクト (PCAT) は, 震災後半年を経過した2011年10月以降, 人口約1万人の気仙沼市本吉町で唯一の医療機関であり, 津波による被害を受けた気仙沼市立本吉病院へ, 11ヶ月間で後期研修医を中心とする10人の医師を派遣した. 指導体制は, 常勤医師1~2名による現地での指導に加え, テレビ会議システムを用いた複数の指導医 (家庭医, 内科医, 精神科医等) による振り返り会議を定期的に行った. 後期研修医は通常の外来診療に加え, 訪問診療や当直帯での救急診療にも従事した. そこでの医師たちの学びは「災害による健康への影響に関する学び」「地域の医療・介護ニーズの把握」「プロフェッショナリズムに関する学び」などであった. 後期研修医にとっては, 限られた資源の中において包括的・継続的ケアや地域志向ケア, 在宅ケアなどを経験できる研修となり, また被災した病院の体制再構築の過程に彼らも貢献した.

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参考文献 (2)*注記

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