高精度白金族元素濃度分析を利用したトリアス紀―ジュラ紀境界大量絶滅原因の推定

  • 藤崎 渉
    東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻
  • 澤木 佑介
    東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻
  • 横山 哲也
    東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻
  • 山本 伸次
    東京大学大学院総合文化研究科広域システム科学専攻
  • 丸山 茂徳
    東京工業大学地球生命研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Constraints for the Causes of Mass Extinction at the Triassic–Jurassic Boundary Based on High Precision Platinum Group Element Analyses
  • コウセイド ハッキンゾク ゲンソ ノウド ブンセキ オ リヨウ シタ トリアスキ-ジュラキ キョウカイ タイリョウ ゼツメツ ゲンイン ノ スイテイ
  • Constraints for the Causes of Mass Extinction at the Triassic–Jurassic Boundary Based on High Precision Platinum Group Element Analyses

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抄録

顕生代に起きたとされる5度の大量絶滅の原因を明らかにすることは生命と地球の共進化を明らかにする上で非常に重要な課題である.特に約2億年前のトリアス紀─ジュラ紀境界(T-J境界)で起きた大量絶滅の原因として,隕石衝突説や大規模火成活動説の相反する2説が主張されてきた.本研究ではこの大量絶滅事変の原因を特定するため,T-J境界前後の遠洋深海層状チャートの間に挟まれている頁岩を採取し,その内の28試料を用いて高精度白金族元素濃度測定を行った.Pd/Pt比とIr/Pt比の関係性,及び白金族元素濃度パターンから,T-J境界前後の白金族元素の濃集は大規模火成活動に伴う玄武岩からの混入によって説明できることが明らかになった.また化石記録と比較すると,白金族元素濃度(OsとPd)の最大濃集層はジュラ紀放散虫が出現するチャート層の1層準上位の頁岩層であることも明らかになった.これらのことは,T-J境界絶滅前後において大規模火成活動の寄与が大きかったことを示す.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 64 (5), 341-348, 2015

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (1)*注記

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