妊娠中に発症した,S状結腸間膜窩ヘルニアの1例

DOI
  • 石多 猛志
    東京女子医科大学八千代医療センター消化器外科
  • 大石 英人
    東京女子医科大学八千代医療センター消化器外科
  • 石井 雅之
    東京女子医科大学八千代医療センター消化器外科
  • 飯野 高之
    東京女子医科大学八千代医療センター消化器外科
  • 佐藤 拓也
    東京女子医科大学八千代医療センター消化器外科
  • 新井田 達雄
    東京女子医科大学八千代医療センター消化器外科
  • 遠田 譲
    東京女子医科大学八千代医療センター画像診断・IVR科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Intersigmoid Hernia during Pregnancy

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抄録

症例は35歳,女性。妊娠31週より切迫早産と診断され近医で内服加療行われたが,妊娠35週3日の時点で,腹痛の増悪と嘔吐がみられ当院入院となった。その後も腹痛と嘔吐が続いたため,腹部単純X線撮影を行いイレウスが疑われ腹部単純CT施行した。腹部単純CTで左側腹部に拡張小腸と,周囲に腹水も認めた。絞扼性イレウスの疑いで,妊娠35週6日緊急手術となった。帝王切開術を施行後,小腸の閉塞部を検索するとS状結腸間膜窩に小腸が嵌頓していた。嵌頓を環納し,嵌頓部小腸に血流障害を認めなかったため,腸管切除は行わなかった。母子ともに術後の経過特に問題なく術後8日目で退院となった。S状結腸間膜窩ヘルニアはまれな疾患で,本邦では妊娠中に発症した報告例は認めなかった。今回われわれは,妊娠中に発症したS状結腸間膜窩ヘルニアの1例を経験したので報告する。

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