さまざまなアプローチで救命しえた十二指腸遠位部憩室出血の1例

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  • A Case of Diverticular Bleeding from the Distal Position of the Duodenum Treated Successfully by Various Approaches

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抄録

症例は85歳,女性。吐下血を主訴に上部消化管内視鏡検査を施行したが,十二指腸第2部まで明らかな出血源を認めなかった。次第に出血性ショックとなり腹部造影CTを施行した。十二指腸第4部に造影剤漏出を認め,経カテーテル的動脈塞栓術を選択し止血を得た。数時間後腹部膨満が増強しCTで再出血および穿孔を疑われ緊急手術を施行した。十二指腸第4部の憩室には出血部位が存在せず,口側の第3部憩室から出血を認めたため憩室縫縮術を施行した。第4部憩室は狭窄を危惧し無処置とした。術後12日目に急激な貧血の進行を認めたため上部消化管内視鏡検査を施行した。第4部の憩室内露出血管が存在し,内視鏡的クリッピングで止血を得ることができた。その後再出血なく経過した。十二指腸遠位部の憩室出血に対し,さまざまな止血アプローチを行い治療した。循環動態や憩室の存在部位に応じて,手術や動脈塞栓術も念頭に置いて治療する必要があると考えられた。

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