肝腫瘍との鑑別が困難であった腹壁原発の悪性孤在性線維性腫瘍の1切除例

  • 熊澤 慶吾
    国立国際医療研究センター国府台病院外科
  • 小柳 剛
    国立国際医療研究センター国府台病院外科
  • 遠藤 大昌
    国立国際医療研究センター国府台病院外科
  • 青柳 信嘉
    国立国際医療研究センター国府台病院外科
  • 今村 雅俊
    国立国際医療研究センター国府台病院消化器科
  • 石田 剛
    国立国際医療研究センター国府台病院中央検査部

書誌事項

タイトル別名
  • Malignant Solitary Fibrous Tumor of the Abdominal Wall Mimicking a Hepatic Tumor

この論文をさがす

抄録

症例は70歳の女性で,右上腹部違和感を自覚し近医受診した.腹部超音波検査にて肝外側区域に腫瘍を疑われ,当院紹介受診した.画像診断にて肝血管腫と判断され,以後外来にて経過観察となった.9か月後のフォローアップCTにて腫瘍の軽度増大および肝S4に3 cm大の新たな病変が出現したため,悪性の原発性肝腫瘍が疑われ手術が行われた.外側区域の腫瘍と診断されていた病変は開腹所見では腹壁より発生しており,外側区域を圧排していた.腹壁より肝外の腫瘍を切除し,肝S4の部分切除を行った.病理組織学的診断はmalignant fat-forming solitary fibrous tumorであった.その後の経過は,多発肝肺転移を来し術後2年3か月目に原病死となった.腹壁原発の孤在性線維性腫瘍は極めてまれであり,特に悪性の転帰を来した症例は本報告が最初である.

収録刊行物

参考文献 (22)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ