胸腔鏡下の単純縫合閉鎖術で救命しえた特発性食道破裂の1例

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タイトル別名
  • A Spontaneous Rupture of the Esophagus Treated with Primary Closure under Thoracoscopic Surgery

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抄録

特発性食道破裂は,嘔吐などに伴う食道内圧の急激な上昇により食道壁全層が穿孔する救急疾患で,早期に適切な治療が行わなければ重症化して致命的となる.今回,我々は術前食道造影で穿孔部位と大きさの確認を行い,胸腔鏡下食道単純縫合閉鎖+ドレナージで軽快した特発性食道破裂の1例を経験したので報告する.症例は52歳の女性で,嘔吐後の急激な上腹部痛を主訴に発症より4時間後に当院へ救急搬送された.CTで縦隔気腫と両側胸水を認め,食道造影で胸部下部食道左壁に約20 mmの穿孔部を認め特発性食道破裂と診断した.発症より12時間後に胸腔鏡下での緊急手術を開始した.食道穿孔部は長軸方向に約25 mmで挫滅・汚染は軽度であったため,食道の全層一層縫合で食道を縫合閉鎖し,閉鎖部の被覆は追加しなかった.重篤な合併症は認めず,術後23日目に退院となった.

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