腎の老化のバイオマーカー

書誌事項

タイトル別名
  • Biomarker of renal senescence

この論文をさがす

抄録

要約:加齢変化と病的変化の病理学的区別は必ずしも容易ではない.すなわち,病的腎障害と老化による腎組織変化には共通した病理組織学的変化が認められ,腎障害には共通した進行過程が存在する.したがって,腎老化のバイオマーカーは,腎障害マーカーで代用できる.糸球体濾過機能のバイオマーカーとしては,古くから用いられている血清クレアチニンや,新規の糸球体障害マーカーのシスタチンC,さらに全身の血管内皮機能を反映すると考えられるアルブミン尿などが上げられる.尿細管障害のバイオマーカーとしては,尿中β2 ミクログロブリン,尿中肝型脂肪酸結合蛋白が有用である.また,腎の老化には酸化ストレスが大きく関与しており,8-ヒドロキシデオキシグアノシンや終末糖化産物などの酸化ストレスマーカーも有用であろう.最近では炎症性老化や腎性老化といわれるあらたな老化の概念も提唱されている.腎老化の早期発見のためには,現在ある腎障害のマーカーを組み合わせて定期的に検査することが望ましい.

収録刊行物

参考文献 (28)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ