特発性大動脈基部破裂の1例

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タイトル別名
  • A Case of Spontaneous Aortic Root Rupture

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抄録

症例は74歳男性,胸痛を主訴にショック状態で救急搬送された.心エコーで中等量の心嚢水を認め,造影CTで上行大動脈の壁肥厚と径拡大があり,解離は明らかではなかった.心嚢水はCT値から血性と考えられることより,Stanford A型急性大動脈解離,偽腔閉塞型を強く疑い,ただちに緊急手術を施行した.外観上,大動脈基部から上行大動脈にかけて外膜血腫を認め,大動脈切開部から内腔を観察すると右冠尖と左冠尖の交連部直上に8 mmの内膜亀裂を認めた.この部分に一致して外膜にピンホールの穿孔を認め,他に動脈解離所見がないことから特発性大動脈基部破裂と診断した.交連部直上の亀裂部を大動脈壁外側から直接縫合し,穿孔部の閉鎖と交連部の再固定を行った.さらに外膜血腫のある拡大した上行大動脈を人工血管置換した.術後経過は良好で,術後14日目でリハビリ転院した.

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