三尖弁輪形成術後に大動脈弁閉鎖不全症をきたした1例

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  • A Rare Complication after Tricuspid Annuloplasty

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抄録

症例は83歳女性.僧帽弁閉鎖不全症(mitral valve regurgitation ; MR)による心不全のため前医より紹介された.僧帽弁置換術(mitral valve replacement ; MVR),三尖弁輪形成術(tricuspid annuloplasty ; TAP)を施行した.術直後は良好な経過であった.術後7日目から心不全症状を認め,心エコーで重症大動脈弁閉鎖不全(aortic valve regurgitation ; AR)を指摘された.心不全症状の悪化を認めたため,術後13日に再手術を施行した.術中所見では,三尖弁輪前尖,中隔尖交連部に刺入した弁輪形成の1糸が大動脈弁の無冠尖(non coronary cusp ; NCC)-右冠尖(right coronary cusp ; RCC)交連部直下を貫通しており,ARの原因となっていた.この糸を抜去した後,生体弁を用いて大動脈弁置換術(aortic valve replacement ; AVR)を施行した.再手術後の経過は良好で術後22日目に退院となった.

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