スサビノリプロトプラストの生残と生長に対する抗生物質の影響

  • 阿部 真比古
    独立行政法人水産大学校生物生産学科
  • 藤田 雄二
    独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所
  • 小林 正裕
    独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所
  • 藤吉 栄次
    独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所
  • 玉城 泉也
    独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所
  • 福井 洋平
    独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所
  • 里見 正隆
    独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所
  • 村瀬 昇
    独立行政法人水産大学校生物生産学科

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of antibiotics on survival and growth for <I>Pyropia yezoensis</I> protoplasts
  • スサビノリプロトプラスト ノ セイザン ト セイチョウ ニ タイスル コウセイ ブッシツ ノ エイキョウ

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抄録

プロトプラストの無菌培養技術の確立へむけて無菌プロトプラストの分離方法を検討した。また,プロトプラストの生残と生長に影響しない,あるいは影響の少ない抗生物質の探索とその濃度について調べた。その結果,葉状体を0.5%クエン酸海水で除菌処理することにより,無菌のプロトプラストを分離することができた。使用した12種類の抗生物質のうちネオマイシン,アンピシリン,ペニシリンやストレプトマイシンは,プロトプラストの生残にほとんど影響しなかった。また,ネオマイシンやアンピシリンの添加は,対照区に比べ生長が1.1~2.7倍となり,ペニシリンやストレプトマイシンでは抑制された。さらに,ネオマイシンの添加は,80%以上の細胞で仮根を形成した。以上のことから,プロトプラストの培養では上記4種の抗生物質の使用が望ましく,本研究結果はプロトプラストの生残や生長,細胞分化に関与する要因を明らかにできるかもしれない。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 63 (1), 1-8, 2015

    日本水産増殖学会

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