発熱と陰部潰瘍の増悪時に脳梗塞をくりかえしたベーチェット病の1例

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タイトル別名
  • A case of Behçet disease developing recurrent ischemic stroke with fever and scrotal ulcers

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抄録

症例はベーチェット病の30歳男性である.発熱と陰部潰瘍の出現後,一過性の右上下肢の脱力をきたし,頭部MRIで前大脳動脈領域の脳梗塞をみとめた.翌年,右被殻梗塞を発症し,その6日後に発熱と陰部潰瘍をみとめた.いずれも髄液IL-6(interleukin-6)値は上昇していた.頭部CTアンギオグラフィーで,脳梗塞の初発時には主幹動脈の病変はなかったが,再発時には右前大脳動脈の閉塞と左前大脳動脈の狭窄をみとめた.ベーチェット病患者の脳梗塞はまれだが,本例は発熱,陰部潰瘍,髄液IL-6値の上昇をともなって脳梗塞をくりかえした点が特徴で,ベーチェット病の増悪が血管炎の機序を介し,脳梗塞発症に関与したと考えられる貴重な症例である.

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