「市民活動参加者の脱階層化」命題の検証

• 三谷 はるよ

  大阪大学大学院人間科学研究科

書誌事項

タイトル別名

• Examining the “Unskewing” of Participants in Civic Activities:
• 「市民活動参加者の脱階層化」命題の検証 : 1995年と2010年の全国調査データによる時点間比較分析
• 「 シミン カツドウ サンカシャ ノ ダツカイソウカ 」 メイダイ ノ ケンショウ : 1995ネン ト 2010ネン ノ ゼンコク チョウサ データ ニ ヨル ジテン カン ヒカク ブンセキ
• 1995年と2010年の全国調査データによる時点間比較分析
• A Comparative Analysis of SSM1995 and SSP-I2010

抄録

本稿の目的は, 「市民活動参加者の脱階層化」命題が成り立つかどうかを検証することである. すなわち, 資源のある人もない人も等しく市民活動に参加するような状況に変化しつつあるのかどうかを検討する. そのために本稿では, 1995年と2010年に実施された全国調査データであるSSM1995とSSP-I2010を用いて, 社会階層と市民活動参加の関連の動向に注目した時点間比較分析を行った.<br>分析結果は以下のとおりである. 第1に, 1995年も2010年も変わらずに, 高学歴の人ほど市民活動に参加する傾向があった. 第2に, 1995年では高収入や管理職の人ほど市民活動に参加する傾向があったが, 2010年ではそのような傾向はなかった. 第3に, 1995年では無職の人は市民活動に参加する傾向があったが, 2010年では逆に参加しない傾向があった. 本稿から, 高学歴層による一貫した市民活動への参加によって教育的階層における「階層化」が持続していたこと, 同時に, 中流以上の層や管理職層, 無職層といった従来の市民活動の中心的な担い手の参加の低下によって, 経済的・職業的階層における消極的な意味での「脱階層化」が生じていたことが明らかになった.

収録刊行物

• 社会学評論

  社会学評論 65 (1), 32-46, 2014

  日本社会学会

キーワード

• 市民活動
• 社会階層
• 脱階層化

詳細情報

• CRID: 1390001204293678976
• NII論文ID: 130005084954
• NII書誌ID: AN00109823
• DOI: 10.4057/jsr.65.32
• ISSN: 18842755
• ISSN: 00215414
• NDL書誌ID: 025637841
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I025637841
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsr/65/1/65_32/_pdf
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可