粘膜下局注法を併用し胆管挿管可能となった傍乳頭憩室の1例

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  • THE USE OF SUBMUCOSAL INJECTION FACILITATES CANNULATION FOR THE BILE DUCT WITH PERIAMPULLARY DIVERCULUM

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抄録

症例は76歳,男性.心房細動の外来治療中に無症候性の総胆管結石を指摘され除去目的に入院となりERCPを施行した.十二指腸主乳頭は傍乳頭憩室内の左側辺縁に位置しており,十二指腸主乳頭は背側方向に向いていたため胆管挿管は不可能であった.十二指腸主乳頭の右側上方にヒアルロン酸ナトリウムを粘膜下局注したところ,十二指腸主乳頭を背側方向から内視鏡画面の正面視方向へと偏位させることが可能となった.そのためERCPを完遂することが可能となった.本方法でERCPを施行し得た症例の報告はなく,本邦初の報告となる.傍乳頭憩室を持つ乳頭正面視が困難な症例すべてに応用できるわけではないが,本症例のような憩室辺縁開口症例に対しては一つの有効な選択肢になると考えられた.

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