介護老人保健施設入所者の転倒予防介入効果検証

書誌事項

タイトル別名
  • Intervention for Fall Prevention in Institutionalized Frail Elderly
  • 介護老人保健施設入所者の転倒予防介入効果検証 : 準ランダム化比較試験
  • カイゴロウジン ホケン シセツ ニュウショシャ ノ テントウ ヨボウ カイニュウ コウカ ケンショウ : ジュンランダムカ ヒカク シケン
  • ~準ランダム化比較試験~
  • Controlled Clinical Trail

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抄録

【目的】本研究の目的は,老健施設の入所者を対象に,運動とビタミンDの栄養による介入を3か月間行い,その後の観察期間の転倒減少効果を検証することとした。【方法】研究のデザインは単一施設の非盲検による準ランダム化比較試験とした。対象は大都市近郊A介護老人保健施設に入所する要介護高齢者68名(女性49名),平均年齢84.3±9.2歳とした。ランダムに3群へ割り付け,それぞれコントロール群,運動介入群,栄養介入群とした。コントロール群は通常のケアを行い,運動介入群では通常ケアに加え週1回30分の抵抗運動とバランストレーニングを実施した。栄養介入群では転倒予防効果が報告されるビタミンDを1日900 IU摂取させた。摂取方法はゼリーとサプリメントとした。 介入期間は3か月間とし,その後4か月間を転倒の観察期間とした。ベースライン調査では,年齢,性別,身長,体重,BMI,長谷川式簡易知能評価スケールで評価した。介入効果を確認するために,ベースラインと介入後3か月ではSkeletal Muscle Mass Index,握力,25ヒドロキシビタミン D(以下:25(OH)D)およびFIMを測定した。 観察期間中の調査項目は転倒の発生状況とし,分析はカプランマイヤー法を用いた。介入前後の比較には2元配置分散分析を用いた。【結果】9名が介入期間中に脱落したため,解析は59名にて実施した(追跡率85.3%)。介入前後では栄養介入群の25(OH)Dが有意な交互作用を認めた。その他の項目では統計学的有意差は見られなかった。各群の転倒発生率は,コントロール群5名(22.7%),運動介入群8名(47.1%),栄養介入群2名(10.0%)であった。 転倒発生状況をカプランマイヤー法により分析した結果,栄養介入群は運動介入群に比べて有意に転倒発生が減少していた。【結論】老健施設入所者のビタミンD摂取は,介入期間が終了してからも,4か月において転倒予防効果があると示唆された。

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