部分内臓逆位症,右肝円索,輪状膵に合併した胆囊総胆管結石症の1例

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  • Cholecysto-choledocholithiasis in a Patient with Partial Situs Inversus, Right-sided Round Ligament, and Annular Pancreas

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抄録

症例は46歳の男性で,心窩部痛を主訴に受診した.来院時黄疸と,CTにて胆囊結石,右肝円索,輪状膵,多脾症を認めた.また,心臓,肝臓,胃は正位ながら,十二指腸水平脚が上腸間膜動静脈背側を左側から右側に通過,体の左側に上行結腸,右側に下行結腸を認め,十二指腸より遠位消化管の部分内臓逆位症であった.DIC-CTにて総胆管結石を認め内視鏡的治療を試みたが施行不能であり,胆囊摘出術,総胆管切開切石術を予定した.術中所見では胆囊は肝円索裂の左側に位置し,総胆管は門脈左側かつ十二指腸の腹側面を走行,胆囊管は総胆管左側より合流していた.総胆管内に結石は認めなかったが,遺残結石に備えretrograde transhepatic biliary drainageチューブを留置した.部分内臓逆位症例に対し肝胆道系手術を行う際は,慎重な解剖把握と術後合併症対策が必要と考える.

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