移植片対白血病効果を保ちつつベクロメタゾン腸溶性製剤で腸管移植片対宿主病抑制を得た急性期慢性骨髄性白血病

DOI 参考文献13件
  • 横山 明弘
    独立行政法人国立病院機構東京医療センター 血液内科
  • 工藤 昌尚
    独立行政法人国立病院機構東京医療センター 血液内科
  • 籠尾 壽哉
    独立行政法人国立病院機構東京医療センター 血液内科
  • 大橋 晃太
    独立行政法人国立病院機構東京医療センター 血液内科
  • 細田 亮
    独立行政法人国立病院機構東京医療センター 血液内科
  • 朴 載源
    独立行政法人国立病院機構東京医療センター 血液内科
  • 上野 博則
    独立行政法人国立病院機構東京医療センター 血液内科
  • 矢野 尊啓
    独立行政法人国立病院機構東京医療センター 血液内科

書誌事項

タイトル別名
  • Oral beclomethasone dipropionate successfully controls gastrointestinal graft-versus-host disease without affecting systemic graft-versus-leukemia effect in blastic phase chronic myeloid leukemia

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抄録

 症例は47歳男性。Imatinibのコンプライアンス不良で急性期慢性骨髄性白血病に移行し，dasatinib使用後に中枢神経浸潤を併発した。病勢をコントロールし，同種骨髄移植と全脳照射を施行した。肝臓，消化管を主体とした重複型慢性移植片対宿主病（GVHD）に対し，day 107よりmethylprednisolone 1mg/kg/日の投与を開始した。Day 121にmajor bcr-abl mRNA定量の増加を認め，day 173よりベクロメタゾン（BDP）4mg/日の経口投与に変更した。消化管症状は改善し，BDPは漸減しday 285で終了した。mRNA定量では実測値50copy/μgRNA未満を維持している。チロシンキナーゼ阻害剤の効果が期待できない慢性骨髄性白血病において，BDPで消化管GVHDを抑制し移植片対白血病効果を維持する治療戦略が奏功したと考えられる。

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参考文献 (13)*注記

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