16時間夜勤を行う看護師の主観的眠気の発現

  • 佐々木 司
    公益財団法人 労働科学研究所 慢性疲労研究センター
  • 松元 俊
    公益財団法人 労働科学研究所 慢性疲労研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Prevalence of the Subjective Sleepiness in Nurses Working 16-hour Night Shifts
  • 16ジカン ヤキン オ オコナウ カンゴシ ノ シュカンテキ ネムケ ノ ハツゲン

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抄録

10年以上にわたり16時間夜勤を行っている病棟看護師145人(148人日)を対象に,夜勤時の繁忙感と夜勤時にとられる2時間の仮眠が主観的眠気に及ぼす影響を検討した。夜勤時の繁忙感は眠気の出現率と逆相関を示した(p<0.001)。また準夜勤務時の繁忙感や眠気よりも深夜勤務時のそれらの訴え率は高かった(p<0.001)。仮眠は,前仮眠(47人日;23:19±67.0分~),中仮眠(48人日;1:21±47.0分~),後仮眠(44人日;3:20±48.0分~)の3つの時刻帯に交代で取られていた。夜勤全体の眠気の出現率は,後仮眠条件で高かった(p<0.05)。眠気の出現率を勤務開始時から仮眠前,仮眠後から勤務終了時に二分して分析した結果,仮眠前も仮眠後においても,後仮眠条件の眠気の出現率が高かった(前者;p<0.001,後者;p=0.041)。これらのことから,生体リズムが日勤志向型を維持する16時間夜勤は,どの時刻帯に仮眠を取っても患者の安全に係る潜在的な問題を孕んでおり,とりわけ後仮眠条件で問題が突出していたと結論付けた。(図3)

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