バラの棘による外傷を契機に発症した限局型皮膚ノカルジア症の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Localized Cutaneous Nocardiosis Caused by Trauma with a Rose Thorn
  • 症例 バラの棘による外傷を契機に発症した限局型皮膚ノカルジア症の1例
  • ショウレイ バラ ノ トゲ ニ ヨル ガイショウ オ ケイキ ニ ハッショウ シタ ゲンキョクガタ ヒフ ノカルジアショウ ノ 1レイ

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抄録

72 歳,男性。高血圧と糖尿病で加療中であった。当科初診の 3 カ月前に左前腕にバラの棘が刺さり,同部位に紅色丘疹が出現した。近医で加療されたが,軽快せず当科を紹介され受診した。左前腕に自覚症状のない直径 2 cm で,中心に痂皮を伴った紅斑が認められた。紅斑からの生検組織をサブロー・デキストロース寒天培地で培養したところ,表面が平滑で皺襞があり隆起した,白色で中央がオレンジ色のコロニーが形成された。分離された菌はグラム陽性で,分岐した糸状発育を示す桿菌であり,ノカルジア属と考えられた。分子生物学的同定法にて16S-rRNA の配列が,Nocardia brasiliensis に一致した。以上から,本症例を Nocardia brasiliensis による皮膚ノカルジア症と診断した。治療は,ミノサイクリン 200 mg/日の内服を開始したところ 6 週間でわずかな瘢痕を残して略治した。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 77 (2), 142-145, 2015

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (2)*注記

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