合剤型コウジ酸外用剤による肝斑ほか各種色素沈着症の治療

書誌事項

タイトル別名
  • Mixture of Kojic Acid and Liquiritin Cream for the Treatment of Various Pigmentary Disorders
  • 治療 合剤型コウジ酸外用剤による肝斑ほか各種色素沈着症の治療
  • チリョウ ゴウザイガタ コウジサン ガイヨウザイ ニ ヨル カン ハン ホカ カクシュ シキソ チンチャクショウ ノ チリョウ

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抄録

コウジ酸 0.4%,リキリチン 0.05%でクリームベースに入れた美白外用剤を作り,これを肝斑,色素沈着型化粧品皮膚炎(旧名 女子顔面黒皮症),日光黒子のレーザー照射後,アトピー性皮膚炎に合併する色素沈着症,その他の頑症な発疹後色素沈着症に 1 日 2 回患部に単純塗布の外用をしてその効果をみた。患者は月 1 回外来で follow up し,同一条件でカラー写真を撮り,客観的評価が得られるようにした。結果は,肝斑では平均 10 カ月の連用で 36 名中全治~有効 34 名,有効率 94.4%であった。日光黒子のレーザー照射後の外用では 32 名で改善 62.5%,副作用は肝斑,日光黒子で 0 名であった。色素沈着型化粧品皮膚炎は化粧品シリーズのパッチテストとこれにひき続く抗原除去治療を開始してから上記美白剤の外用をして,平均 10 カ月で略治 2 名,平均 8.8 カ月で 10 名に著明な改善があり,合計 17 名中 16 名に改善以上があって,有効率 94.1%であった。外国人の多価アレルギーの 1 名のみに不適合があった。Dirty neck を含む頑症の発疹後色素沈着症 19 名では 17 名に改善がみられ,有効率は89.5%であった。雀卵斑や vitiligo の辺縁の色素沈着も共に色調を薄くすることができた。この新しい合剤は,従来の1%コウジ酸クリームより効果の発現が早く,連用による皮膚炎の副作用は出なかった。1% cream を含め,これまで10年以上の follow up した症例でも,副作用として白斑は 1 例も出ていない。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 77 (2), 159-165, 2015

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (2)*注記

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