当科における生物学的製剤の治療成績ならびに治療成績に関与する因子の解析
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- 林 淳慈
- 新座志木中央総合病院整形外科
書誌事項
- タイトル別名
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- Clinical outcomes of treatment with biologics in patients with rheumatoid arthritis -analysis of the factors contributing to clinical outcomes-
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抄録
目的:関節リウマチに対する各種生物学的製剤の治療成績を調査し,その成績に関与する因子を検索したので報告する.<br> 対象・方法:2013年9月以前に関節リウマチに対し生物学的製剤を使用した114例全例を対象とし,継続率,治療後3,6か月,最終経過観察時の臨床成績,各種パラメーターを調査した.また,最終経過観察時にDAS28-CRPが寛解または低疾患活動性となっていた症例を目標達成群,中等度疾患活動性以上であった症例を非達成群として両群間で有意差の見られる因子を検索した.<br> 結果:継続率は1年で82.4%,8.9年では60.9%であり,TCZ,ETNが高く,ABT,IFXが低い傾向であった.EULARの改善基準はGood response 45.6%,moderate response 27.2%であり,no responseは27.2%であった.治療開始時には高疾患活動性が61.4%であったが,最終経過観察時には高疾患活動性は16.7%と減少し,寛解は39.5%となっていた.最終的には53.5%が目標達成群,46.5%が目標非達成群であった.多重ロジスティック回帰分析を用いた多変量解析により,ベースラインでのPSL使用量が低いこと,治療開始後3か月でのリンパ球数が高いことが両群間に影響を及ぼしていると推測された.また,ROC曲線を用い,ベースラインにおけるPSL使用量の目標達成群におけるカットオフ値は4mg/日であった.<br> 結論:生物学的製剤の継続率は8.9年で60.9%であり,TCZ,ETAで高い傾向にあった.低疾患活動性以下を達成できる予測因子は開始時のPSL使用量と治療後3か月でのリンパ球数であり,PSLの使用は4mg/日未満が望ましいと思われた.
収録刊行物
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- 臨床リウマチ
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臨床リウマチ 27 (2), 91-99, 2015
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679319661312
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- NII論文ID
- 130005090301
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- ISSN
- 21890595
- 09148760
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可