当科におけるEndoscopic modified medial maxillectomy症例の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Study of 11 Cases Treated with Endoscopic Modified Medial Maxillectomy

この論文をさがす

抄録

背景:上顎洞病変に対しての治療は低侵襲性の観点からESSを行う症例が増加しているが部位により操作や観察が困難という面もある。一方で従来のESSと比較しEndoscopic medial maxillectomy(EMM)といった術式は洞内の観察や操作を容易にする。この場合下鼻甲介を含む上顎洞内側壁を切除することから後遺症を引き起こす可能性がある。これらの問題を解決するため鼻涙管と下鼻甲介を温存しつつ上顎洞にアプローチする方法としてEndoscopic modified medial maxillectomy(EMMM)が報告され,そのアプローチを用いた手術の症例数も増加傾向にある。<br>対象:2012年9月より2014年3月までに八尾市立病院耳鼻咽喉科を受診しEMMMを施行した患者11例を対象とした。<br>結果:11例の疾患内分けは副鼻腔嚢胞5例,含歯性嚢胞2例,副鼻腔内反性乳頭腫4例であった。1例に術後出血を認めたが,鼻涙管の閉塞症状や頬部違和感・疼痛,鼻腔乾燥感,鼻閉といった後遺症は1例も認められなかった。全例術後の病変再発は認められなかった。<br>結論:EMMMは広いワーキングスペースのもと大部分の上顎洞内操作を行うことが可能であり,術後の後遺症も非常に少なくメリットの多い術式と考えられた。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (8)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ