陳旧性心筋梗塞に合併する致死性不整脈への挑戦

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タイトル別名
  • Progress in Treatment of the Lethal Ventricular Arrhythmia in Patients with Old Myocardial Infarction

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抄録

1980年代にはCCUの導入により心筋梗塞の急性期の生命予後が改善され,その後,心筋梗塞の亜急性期から遠隔期に生じる致死性不整脈による突然死が問題となった.80年代後半に行われた抗不整脈薬による一次予防試験により,抗不整脈薬の予防投与は無効であるのみならず,生命予後をむしろ悪化させることが明らかとなり,2000年代初頭にICDの予防的留置が有効であることが報告された.しかしながらICDの作動例,特にstorm群の予後が悪く,加えて予防的留置を行った症例での21ヵ月間の作動率は約4分の1と低く,予防的留置が必要な症例の選別が必要であることも併せて明らかとなった.一方,カテーテルアブレーションは3次元マッピングシステムとそれによるsubstrateマッピング,心外膜側アプローチの導入などによりその成績は飛躍的に改善している.陳旧性心筋梗塞に合併する致死性心室不整脈の領域において,現在予防的ICD留置を真に必要とする群の選別,1次予防としてのカテーテルアブレーションの有用性の検討,抗不整脈とのハイブリッド療法などが課題である.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 33 (3), 252-257, 2013

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (16)*注記

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