PKP2遺伝子変異が同定された不整脈源性右室心筋症の1剖検例

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タイトル別名
  • An Autopsy Case of ARVC Caused by a PKP2 Mutation

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抄録

症例は29歳,男性.2001年,24歳時に健診で心室期外収縮の頻発と非持続性心室頻拍を指摘され当科で精査したところ,不整脈源性右室心筋症(arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy : ARVC)と診断され,β遮断薬の投与と運動制限により,その後は症状なく安定して経過していた.しかし2006年3月,29歳時に激しい運動の直後に心室細動となり,ただちにby-stander CPRを開始されて近医へ搬送されたが,死亡した.剖検によりARVCに合致する所見が認められ,また心室細動の原因として考えうるその他の所見は認められなかった.当科で行ったARVC関連遺伝子の検索により,plakophilin-2(PKP2)をコードする遺伝子PKP2の変異(c.C2119T,p.Q707X)が認められた.PKP2はデスモゾームの構成蛋白であり,この遺伝子異常により細胞間接着に異常を生じたため,ARVCをきたしたと考えられた.PKP2遺伝子変異が同定されたARVCの剖検症例は貴重と考えられたので報告する.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 35 (1), 31-38, 2015

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (13)*注記

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