インスリン注射による皮下腫瘤の検出とサイトローテーション指導の重要性

DOI
  • 山城 慶子
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター糖尿病内分泌内科
  • 高橋 千春
    三咲内科クリニック
  • 上村 志津子
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター看護部
  • 飯田 直子
    三咲内科クリニック
  • 横田 純子
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター糖尿病内分泌内科
  • 稲垣 賀子
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター糖尿病内分泌内科
  • 石田 香苗
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター糖尿病内分泌内科
  • 吉井 秀徳
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター糖尿病内分泌内科
  • 栗林 伸一
    三咲内科クリニック
  • 小沼 富男
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター糖尿病内分泌内科

書誌事項

タイトル別名
  • The Importance of Subcutaneous Mass Detection in Insulin Injection Sites and the Guidance of Site Rotation

この論文をさがす

抄録

インスリン注射を同じ部位に繰り返すと皮下腫瘤ができる.腫瘤を①膨隆し硬い,②膨隆し軟らかい,③平坦で硬いと定義した.腫瘤の合併率とその危険因子,ローテーション指導により血糖が低下するかを検討した.注射部位を指で指して下さいと質問してローテーション実施の有無を,視診触診にて腫瘤の有無を確認し,ローテーションを指導した.次回受診日に血糖の変化を確認した.641例を対象とし,581例が解析対象となった.腫瘤の合併率は44.4 %.ロジスティック回帰にて腫瘤有りと,総インスリン量(オッズ比1.020, p=0.020),及びローテーションしていない事(オッズ比5.336, p<0.001)が相関した.144例でローテーション指導の影響を調べた結果,低血糖頻度が有意に増加し,血糖が低下する可能性が示された.定期的な腫瘤の確認と,ローテーション指導が必要であり,血糖不良の際に腫瘤を鑑別に挙げるべきである.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 58 (7), 439-445, 2015

    一般社団法人 日本糖尿病学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ