嚥下造影簡易評価法 (AsR スコア) を用いた口腔癌術後の機能評価

書誌事項

タイトル別名
  • Videofluoroscopic Examination of Swallowing Using the AsR Score for Postoperative Swallowing Function in Oral Cancer Patients
  • エンカゾウエイ カンイ ヒョウカホウ(AsR スコア)オ モチイタ コウコウ ガン ジュツゴ ノ キノウ ヒョウカ

この論文をさがす

抄録

頭頸部癌術後の嚥下機能評価として多く用いられる嚥下造影検査 (以下 VF) は定性的評価としては多様な情報が得られる一方, 定量的評価として用いるのは煩雑であった. われわれはこれまでVFの定量的評価法として AsR スコアを用いてきた. その有用性を知ることを目的に, 皮弁再建を要する拡大切除を行った口腔癌146例を対象に検討を行った.<br> 術後初回 VF と入院最終回 VF の AsR スコアを測定し, 初回スコアと初回 VF 後の直接訓練開始や中断の有無との相関を検討した. また, 最終回スコアと退院時の栄養摂取形態との相関を検討した. ROC 曲線を用いて ROC 曲線下面積 (AUC) と各スコアの至適カットオフ値, 精度を算出した.<br> 初回 VF 後に直接訓練を開始し訓練継続が可能であった群 (以下, 「訓練継続群」) が131例であった. 「訓練継続群」であることを予測する初回スコアの精度は AUC=0.946で, 至適カットオフ値5では感度96.2%, 特異度86.6%, 陽性的中率98.4%, 陰性的中率72.2%であった. 退院時の栄養摂取形態は「経口摂取群」が138例であった. 「経口摂取群」であることを予測する最終回スコアの精度は AUC=0.925で, 至適カットオフ値6では感度82.6%, 特異度87.5%, 陽性的中率99.1%, 陰性的中率22.6%であった.<br> AsR スコアが口腔癌術後の嚥下機能と非常に相関することが示唆された. VF の簡易的な定量的評価法として有用である.

収録刊行物

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (5)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ