生体における股関節屈曲0°、45°、90°位置での新殿筋注点とクラークの点との比較

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タイトル別名
  • A comparative study between a novel intramuscular injection point in the gluteal muscle at 0°, 45° and 90° hip joint flexion and the point of Clark in living bodies.

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抄録

我々は先の研究より、股関節を伸展した状態で、上前腸骨棘を通る水平線と大転子中央上縁を通る垂線との交点を新殿筋注点と定め、これがクラークの点と同様に安全な筋注部位であることを明らかにした。本研究では新殿筋注点の臨床応用のため、さらに股関節屈曲のある者においても、新殿筋注点は安全な筋注部位であると言えるか検討すること、また新殿筋注点における適切な刺入の深さを決定することを目的とした。21~27(21.5 ± 1.4)歳の成人女性の右殿部において、クラークの点、股関節を伸展させた状態(股関節屈曲0°)での新殿筋注点、股関節を45°屈曲させた状態での新殿筋注点、股関節を90°屈曲させた状態での新殿筋注点の4点を定めた。各新殿筋注点とクラークの点との距離を測定後、各点において超音波診断装置による画像を撮影し、脂肪厚、中殿筋厚を計測後、血流音聴取を行った。その結果、股関節屈曲状態における新殿筋注点でも、これらはクラークの点と近く、脂肪厚、中殿筋厚、血流音聴取数も同程度であったため、安全に殿部筋肉内注射を実施できる筋注部位であることが明らかとなった。刺入の深さに関しては、脂肪厚を考慮すると、約3cm皮膚に対し直角に刺入することが皮下組織・神経・血管損傷を避け、安全に殿部筋肉内注射部位を実施する上で重要と考えられる。

収録刊行物

  • 形態・機能

    形態・機能 11 (2), 109-115, 2013

    コ・メディカル形態機能学会

被引用文献 (1)*注記

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