チロシンキナーゼ阻害剤による細胞遺伝学的部分寛解期にPh陰性急性骨髄性白血病を発症したminor-BCR/ABL陽性慢性骨髄性白血病

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Ph negative acute myeloid leukemia in a patient with minor-BCR/ABL positive chronic myeloid leukemia achieving a partial cytogenetic response during tyrosine kinase inhibitor treatment
  • 症例報告 チロシンキナーゼ阻害剤による細胞遺伝学的部分寛解期にPh陰性急性骨髄性白血病を発症したminor-BCR/ABL陽性慢性骨髄性白血病
  • ショウレイ ホウコク チロシンキナーゼ ソガイザイ ニ ヨル サイボウ イデンガクテキ ブブンカンカイキ ニ Ph インセイ キュウセイ コツズイセイ ハッケツビョウ オ ハッショウ シタ minor-BCR/ABL ヨウセイ マンセイ コツズイセイ ハッケツビョウ

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抄録

症例は78歳,男性。CKDと慢性心不全の治療中に白血球増多を指摘され当科を受診した。Ph染色体と付加的染色体異常を持ち芽球が12%, FISH検査でBCR/ABL融合シグナルを認め,RT-PCR法ではm-BCR/ABLが高値であったためm-BCR/ABL陽性CML(移行期)と診断した。Imatinibに治療抵抗性であったため治療をnilotinibへ変更した。貧血と心不全が悪化したためnilotinibを間欠投与した。8ヶ月後にPCyRを得たが,17ヶ月後に白血球数が増加し末梢血中の骨髄芽球が83%へ増加した。骨髄性急性転化と考え,治療をdasatinibへ変更したが反応せず,肺炎のため化学療法を導入できずに死亡した。染色体検査は正常核型で,FISH検査でもBCR/ABL陰性であったためPCyRのCMLに合併したPh陰性AMLと診断した。Tyrosine kinase inhibitor (TKI)治療の経過中は骨髄に異形成変化はなくAMLは正常核型であったことから,TKIによる二次性AMLではなくde novo AMLと考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (6), 681-686, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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